座頭市を中心に、市の馴染みの里に隠されている金塊を狙うヤクザ、公儀隠密たちが入り乱れて醜い争いを繰り広げていく。三船敏郎が用心棒として登場する座頭市シリーズ第20作。子母沢寛の原作を、岡本喜八と吉田哲郎が共同執筆した脚本を、岡本喜八が監督した。撮影は宮川一夫が担当。
監督:岡本喜八
出演:勝新太郎、三船敏郎、若尾文子、米倉斉加年、岸田森、神山繁、細川俊之、嵐寛寿郎、寺田農、常田富士男
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座頭市と用心棒 (1970)のあらすじ
座頭市(勝新太郎)が3年前に訪れた村は、川のせせらぎ梅の香りに包まれた平和な村だった。しかし市が再び訪れたその村は、ヤクザの小仏一家によってすっかり変わってしまっていた。市の来訪を知った小仏の政五郎(米倉斉加年)は、一家の用心棒(三船敏郎)に市を斬るよう頼み込む。盲を斬ることを断った用心棒だったが、政五郎に100両出すと言われ、酒に酔ったまま市を斬りに行く。しかし、対決し市が容易に斬れる者ではないと悟ると、その日は斬るのを諦め、市を酒に誘う。互いを「バケモノ」「ケダモノ」と呼び合う2人だった。
2人の入った居酒屋で、市はかつて手を引いてもらった優しい女性・梅乃(若尾文子)と再会する。喜ぶ市に対し、梅乃は覚えていないと冷たい態度を取る。政五郎に借金のある梅乃は市が去ったあと、用心棒に「小仏一家の手前、市に話しかけられなかった」となじるが、用心棒のことを憎からず思う気持ちにも気付いていた。
用心棒と梅乃から別れた市は、自分の凶状のため捕吏に捕まり、牢に入る。本来なら打ち首の市だったが、生糸問屋・烏帽子屋の口利きで番屋から出してもらう。烏帽子屋の主人・弥助(滝沢修)は小仏の政五郎の実の父であるが、親子は対立していた。また政五郎は、父・烏帽子屋の隠している金塊を狙い、用心棒をなにかと頼りにしている。それを知る烏帽子屋は、市を手許に置いて身を守ろうとしていた。どうやら隠されている金塊は、烏帽子屋とその次男・三右衛門(細川俊之)が八州見廻り役・脇屋とも共謀し、着服した御用金らしい。
江戸にいる三右衛門は父を心配し、九頭竜という名の浪人(岸田森)を送り込む。小仏一家の用心棒、烏帽子屋の九頭竜。曰くありげな2人をそれぞれ抱え、双方出入りの準備を始める。そして2人の素性を知った市も独自に動き始める。
座頭市と用心棒 (1970)のストーリー
血に飽いた座頭市(勝新太郎)の心に、三年前の蓮華沢の里が故郷のように横切った。しかし、市が来てみると、里の平和は小仏の政五郎(米倉斉加年)の暴力に踏みにじられていた。座頭市が来たことを知った政五郎は、用心棒の浪人・佐々大作(三船敏郎)に百両で市殺しを頼んだ。用心棒は、盲の按摩が相手だと知ると初めは断ったが、百両の金に釣られて承知した。しかし、対決して市が只者でない事を知った用心棒は一笑して「バケモノ」と言い、市も「ケダモノ」とつぶやいた。二人は、再度の勝負を約して酒をくみ交した。居酒屋の女将梅乃(若尾文子)は、市にはなつかしい人だった。やがて凶状持ちの市は番所からの呼出しで牢に入れられた。市を牢から出してくれたのは、小仏一家に対抗してこの里に君臨する政五郎と生糸問屋の烏帽子屋弥助(滝沢修)だった。弥助宅に腰を落ちつけた市を見て、政五郎は、用心棒に早く市を殺ってくれと頼んだ。それにつけ込んで用心棒は二百両に値上げを要求した。その頃、弥助が莫大な金のノベ棒を隠しているという噂が流れた。政五郎らはやっきになって、そのありかを探した。折から短筒の名人・九頭竜(岸田森)が、烏帽子屋に草鞋を脱いだ。そんな折、八州廻りの役人・脇屋陣三郎(神山繁)が来て、弥助宅に立ちより、何か相談して帰っていった。それを怪しいと睨んだ用心棒は陣三郎の帰途を待伏せるが、先に陣三郎一行を斬り捨てたのは、九頭竜だった。九頭竜は、実は跡部九内という公儀隠密で、先に金の一件を探りに送りこまれた用心棒の仕事が遅いので、追っかけやって来たのだった。その秘密を跡をつけていた市が知り、用心棒と市は組んで金のありかを探すことにした。烏帽子屋弥助のもう一人の息子・御金改役・後藤三右衛門(細川俊之)が江戸から、大目付の目を逃れてくるのだった。
翌朝一方、小仏一家と烏帽子屋の対立は険悪になり、乱闘が始まった。斬り合いは果しなくつづき、殴り込んだ用心棒に、三右衛門は斬りかかったが、斬っ先が狂って父・弥助の肩口に斬り込んでしまった。弥助は幽魂のように歩き、市がからくりを見破って地蔵から出した金粉の山に辿りつくと、彼を追ってきた三右衛門を刺し、弥助自身も九頭竜の短筒に倒れた。駆けつけた用心棒に九頭竜は静かに筒先を向けた。彼も金の亡者になったのだ。そして用心棒をかばった梅乃が肩を射たれた。用心棒は九頭竜を倒し、深傷の梅乃を手当てをすると、吹雪の中に市と対決した。市の仕込杖は、折れ、用心棒の太股に刺さった。とその時、梅乃が助かったとの知らせで、二人は刀を引いた。風に吹かれて、飛び散る黄金の山を懸命にさぐる市の手が用心棒の手に触れた。二人はニヤッと笑い合って、吹雪の中を背を向けて歩き出した。

